梅毒について、潜伏期間があることはご存知ですか。

梅毒については、増加傾向にあると先に述べた通りですが、厄介なのは、潜伏期間があること。

感染していると認識しないうちに、どんどん感染してしまう可能性があるのです。

潜伏期間の約1か月の間に性行為をされた方は要注意です。感染拡大をしているかもしれません。自分がかかったからといって他人に迷惑をかけてはいけません。

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国立感染症研究所による梅毒の症状について、以下引用↓

臨床症状 感染後3~6週間程度の潜伏期を経て、経時的に様々な臨床症状が逐次出現する。その間症状が軽快する時期があり治療開始が遅れることにつながる。

 

 早期顕症梅毒 第 I 期:

[感染部位の病変]感染後約3週間後に梅毒トレポネーマが進入した局所に、初期硬結、硬性下疳(潰瘍)が形成される。無痛性の所属リンパ節腫脹を伴うことがある。無治療でも数週間で軽快する。

 

早期顕症梅毒 第 II 期梅毒:

[血行性に全身に移行]第 I 期梅毒の症状が一旦消失したのち4〜10週間の潜伏期を経て、手掌・足底を含む全身に多彩な皮疹、粘膜疹、扁平コンジローマ、梅毒性脱毛等が出現する。発熱、倦怠感等の全身症状に加え、泌尿器系、中枢神経系、筋骨格系の多彩な症状を呈することがある。第 I 期梅毒と同様、数週間〜数ヶ月で無治療でも症状は軽快する。早期顕症梅毒症例で髄膜炎や眼症状などの脳神経症状を示すものは、早期神経梅毒と呼び晩期梅毒の神経梅毒とは区別する。

 

潜伏梅毒:

 梅毒血清反応陽性で顕性症状が認めらないものをさす。第 I 期と第 II 期の間、第 II 期の症状消失後の状態を主にさす。第 II 期梅毒の症状が消失後、再度第 II 期梅毒症状を示すことがあるが、これは感染成立後1年以内に起こることから、この時期の潜伏梅毒を早期潜伏梅毒と呼ぶ。これに対応して、感染成立後1年以上たつ血清梅毒反応陽性で無症状の状態を後期潜伏梅毒と呼ぶ。

 

晩期顕症梅毒:

 無治療の場合、約1/3で晩期症状が起こってくる。長い(数年〜数十年)の後期潜伏梅毒の経過から、長い非特異的肉芽腫様病変(ゴム腫)、進行性の大動脈拡張を主体とする心血管梅毒、進行麻痺、脊髄癆等に代表される神経梅毒に進展する。

 

先天梅毒:

梅毒に罹患している母体から胎盤を通じて胎児に伝播される多臓器感染症である。

 

早期先天梅毒の発症年齢は、生下時~生後3カ月。出生時は無症状で身体所見は正常な児が約2/3とされる。生後まもなく水疱性発疹、斑状発疹,丘疹状の皮膚病変に加え、鼻閉、全身性リンパ節腫脹、肝脾腫、骨軟骨炎、などの症状が認められる。 晩期先天梅毒では、乳幼児期は症状を示さずに経過し、学童期以後にHutchinson3徴候(実質性角膜炎、内耳性難聴、Hutchinson歯)などの症状を呈する。

 

まずは早期発見を↓